ワタシの暮らしの忘備録

空と海の間で暮らした、私のこれまでイマココこれから

ずっと探していたもの

僕が欲しかったぬくもりは

僕が思っていたものと

違ったようだ

彼女が時々そっと手に触れ

優しく握りしめてくれたり

木漏れ日のような笑顔で

いつもみていてくれたり

言葉とは違う柔らかなオーラで

いつも包みこんでくれていた

彼女から受け取る

全てのことで

僕は天に昇ったような

気持ちになれたけれど

その後にとてつもない孤独に襲われ

彼女のカタチやぬくもりを探し

求めようとする僕は

まるで捨てられた子猫のようだと

気がついてしまった

彼女がそばにいないと

どこか頼りない僕が

ずっと追い求めていたものは

夕暮れ時の台所で

母が嬉しそうに僕たちのために

夕飯の支度をしながら

他の家族には内緒で

僕だけに味見をさせてくれたこと

厳しさの中にある

僕らへの母の愛は

いつも食卓に並んでいた

素朴だけどあたたかな

ほっと弛まる空気感は

母、独特の世界だった。

公園からの帰り道

母に手を差し出せば

優しく握り返してくれた

あの日のあの手のぬくもりを

僕はずっと今まで

探していたみたいだ

彼女のぬくもりと

母さんのぬくもりは

似て非なるものだと

そんなあたりまえなことを

今日まで気づけずにいた僕は

やっと母さんから

卒業できる気がするよ

 

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