ワタシの暮らしの忘備録

空と海の間で暮らした、私のこれまでイマココこれから

先着1名様問題②ー本題前篇ー

 この件に関してはシリーズ化するつもりがなく短めな記事で終わると思っていたのですが、あれよあれよという間に前置きが長くなってしまいました。すみません。では、『先着1名様問題』の本題へはいりたいと思います。エビデンスがお好きな方たちには、エピソードがつまらないかもしれませんが、そういう方たちは読まないでもらって結構です。で、コメントにつまらなかった感想でも書いていただけたら、今後の参考にさせていただきますので幸いです。

 私の最初の診断はAD/HDなのですが、ここ数年の治療を経て昨年に広汎性発達障害の診断もつきました。広汎性発達障害自閉症スペクトラムでもあるので、一応私も自閉っ子ということになります。で、息子も自閉っ子。

 私たち親子はよく聞き間違いをします。私の場合には、見間違い(いわゆる空目)っていわれることもよく身の上に起きています。(※息子の場合にはまだ空目が起きているのかはわかりません。)

 聞き間違いや見間違いは障害の有無に限らず起こっていることだと思われますが、これが、自閉圏の人の場合には発達の遅れとなってしまうことに繋がってしまう要因だと私は思うに至り〝はじめに〟の記事にもあるように『先着1名様問題』へと繋がることとなりました。これに至るまでにも、実は相当長い年月がかかっています。なぜ、私がこれに気がつくことになったのかというと、息子のおうむ返し又はエコラリアが半端ないことからでした。

 言語の療育に関して私は学んでおらず、発達障害の学びや療育の中で、言語の発達が遅れてしまうのは顎関節の発達の遅れや舌がうまく使えていないということをアドバイスを受けました。確かに顎の発達に不具合は抱えているように思います。歯の大きさに対して顎が小さいですし、息子の場合には歯列矯正しないといけないレベルです。でも、自閉症だから顎が発達しないのか、顎の発達に不具合があるから機能的な問題となって言葉が遅れてしまうのか…。それは、専門家ではないので私にはわかりません。なので、その当時私が自宅で行っていたことは、アドバイスをいただいたことを実践するのみでした。言葉の発達を促すためには舌を使う練習をするといいということでしたので、アイスクリームを食べさせ舌を使う練習を行っていました。それでも毎日たべさせていたわけではありません。飴でもよかったのですが、うちの子は飴は食べない子だったので、アイスなら好んで食べてくれたからです。それと、蝋燭を吹き消したり、玩具のラッパを吹くようなことを行うといいということでしたので、玩具のラッパを買ったりもして遊びの中で促すようにしていました。ただ、その当時は身体の方へ目をむけていなかったので、アドバイスを受けたことをただ行ったというだけでした。ただ、私が身体方面へ目をむけるようになり、原始反射の事をしってから、なぜそれらが必要だったのかは紐解けることとなったのはいうまでもありません。

 息子は全く言葉を持っていなかったわけではなく、実は私が気がついていないだけでした。それらは、私が息子が言葉で要求を発する前に気がついてしまうことがそもそもの原因となっていました。今回はその件に関しましては割愛します。一度出ていた言葉がほぼ全くでなくなってしまったこともありましたが、小学校低学年になって〝おうむ返し〟がはじまりました。そして、中学生になり〝おうむ返し〟でコミュニケーションを行うようになったと同時に、その当時好きだった『ブリヂストン』という企業名を息子自身が発語するだけでなく、私を含む他者に対して言って欲しいといった要求をするようになりました。その当時はただ、その言葉のイントネーションが好きだから、私や他の人にも『ブリヂストン』と発語してもらって聞きたいだけだと思い込んでいましたし、それを遊びで言っているだけだと思いこんでいました。でも、高校生になったことを期に息子が自宅に戻り毎日を過ごすようになったので気がつけたのだと思います。また一緒に暮らし始めて本当によかったと思います。

 中学生までは施設に入所し併設されている学校へ通学していたので、月に1度か2度の帰省時のみだけipadを使ってyoutubeを楽しんでいました。youtubeの動画を検索する度に私に検索させるので、それが面倒臭すぎて息子自身で検索できるように教えたら、いつの間にか自分1人で検索できるようになったことで、言葉に興味を持つようになりました。言葉に興味を持つようになったことで、息子は聞こえている単語の情報と視覚的な文字情報とを照らし合わせるようになりました。このことから、息子が行っていたオウム返しはただその言葉が好きで聞きたくて要求していたわけではなかったのだということに気がつくキッカケとなりました。そして、このことがニキさんが発信されている『先着一名様』ということに繋がるのです。

 息子がなぜ同じ言葉を人を変えて聞いて回っていたのかは、人によって『ブリヂストン』の発音が違うからということが原因だったのだと思われます。例えば、一般的には『ブリヂストン』の聞こえ方は同じだと思われますが、息子は聴覚過敏で耳の聞こえ方が尋常じゃなく聞こえすぎたりしますし、もしかしたら絶対音感があるかもしれません。絶対音感がある場合には、聞こえ方が音階に聞こえる人もいるのだそうです。なので、一般的に聞こえている聞こえ方とは違った聞こえ方で息子には聞こえてしまうのかもしれません。その聞こえ方は1人1人違うように聞こえてしまう。だとしたら、発語している人はみんなと同じように発語しているつもりでも、受け取っている息子には『ブリヂストン』と同じようには聞こえていなかったから、何度も聞きかえしていたのかも…。それが〝先着一名様〟ということになるのです。よって、息子の場合には一人一人同じ言葉を発語しても、1人1人発音の仕方が違って聞こえてしまうのだろう。だから、ただ、確認していただけだったのかもしれないなぁと気がつくことになったのです。

 

先着1名様問題③-本題後篇ーへ続く