ワタシの暮らしの忘備録

空と海の間で暮らした、私のこれまでイマココこれから

一年間の受診で得たこと

ここ一年は折に触れて神田橋先生への受診をしてきました。先生の元を初めてたずねたのが約6年程前になります。私の状態が安定していた時だったので、先生の受診を拒んでいたわけではないのですが、状態が悪くないのに先生の受診するのはなんだか気がひけてしまい、変な遠慮をしていたので一度受診した後、次の受診までに4年くらい空いてしまいました。今思うと、無意識に私自身が治ることを拒んでいたのかもしれません。

この数年間、先生の診たても治療の方法も処方も常に変わり続けました。でも、それが当たり前なのだと思うのです。人だからこそずっと同じ身体症状なはずもないですし、どんな人も必ず発達していくものなので、一般的な精神科や療育現場でアドバイスされる中で『様子をみましょう』という言葉を先生からほとんど聞いたことがありません。我が家以外のご家庭で漢方薬を飲んでるという方にお話しを聞くなかで、同じ漢方を何年も処方されているご家庭もあるようで、逆にびっくりしました。我が家の場合はずっと同じ処方だったことはほぼありません。

神田橋処方といわれるフラッシュバックを改善させる処方は、うちの子の場合処方されたことは一度もありませんでした。自閉症といえばフラッシュバックがあたりまえだから、神田橋処方的な図式になっている場合もあるようですが、本当に乱暴な話だなーと思います。
私自身、昨年から一年ほど様々な漢方を飲みました。私自身解決できていなかった愛着の問題が浮上した時に、フラッシュバックが起き状態が悪くなってしまったので、一か月程飲んだことがあります。私の個人的な見解になりますが、フラッシュバックが起こる身体の状態というのは、気の巡りが悪くなり停滞した状態だったのだと思います。その時は滅多に好んで食べない牛肉がやたら食べたくて仕方がない時期でした。気というのはいかがわしく感じますが、中医学でいうところの血(けつ)になるのだそうです。(漢方薬それぞれの効果効能をみればわかるとおもうのですが、あえてここには掲載しません。)その血の状態を良くし、巡りをよくする効果のあるものでした。この時まで気がつかなかったのですが、私の心身の状態が悪くなる時は、大抵気の巡りが悪くなる時だったのだとこの時に腑に落ちました。そして、こういった時には必ず便秘になって、それから鬱状態にもなっていくことに気がつきました。フラッシュバックや鬱の状態が始まったら、漢方を飲むことでフラッシュバックが起きても眺めていられるくらい不安が和らぎます。そうやってフラッシュバックが起きても大丈夫だという経験をすることを積み重ねていくと改めて思い出した時に嫌だった記憶も眺めていられるようになっていきました。そして、それらが良くなっていくと同時に、便秘も解消され、心身共にスッキリしていくということを経験しました。

向精神薬を飲んでいた時はどちらかといえば、心身が改善していくというよりも、不安な気持ちを抑えてしまうように感じていました。ですから、お薬を飲み忘れたりなどして、血中濃度が下がってくると不安な症状とは別な離脱症状で薬が欲しくなるということもありました。それは、頓服で服用しているお薬の場合に、飲まないと副作用的なものがでてしまうからでした。そんな経験があるので、漢方を飲み始めてからはお薬を飲めば楽になったというだけではなく、身体の状態が悪くなっていく時やそれらが緩和されたり治っていく過程を自分が変化を感じた時などに、天候を含めて、スケジュール帳などにメモをしたりなどして、自分だけのエビデンスを積み重ねる毎日を大切にしています。同じ漢方をのんでも効果効能の感じ方や治っていく過程というのは人それぞれ違うだろうと思うこともあったからです。
神田橋先生でも向精神薬を処方されることもありますが、処方されたとしても本当に微量です。私も一次期状態が酷く悪くなった時だけ、飲んでみたら?といわれたことはありましたが、なんとか漢方とサプリメント、自分で行う気功などで乗り越えられたので、ここ一年は向精神薬は一切飲んでいません。

なんにでもいえることですが、盲信してしまうことで、治りづらくなってしまうこともあると私は思っています。先生は治してくださるお医者様です。ただ、先生が治してくださるというより、次の診察までに漢方を服用しながら、家庭でも自分でできることを行いながら自分自身の身体との向き合い方のヒントを毎回いただいているように思います。自分の身体と向き合うということは自分の命と向き合うことになります。だからこそ、先生への受診で、私や息子は改善していったというより治ってきたと思えるのです。だからこそ、ずっと苦しんでいたことからようやく解放され私自身を取り戻せることができたのだと思います。やっとここまでたどり着いた感が半端ないのですが、受診の度に何故かしてやられた感を感じてしまうのは、何故なのだろう? それは、私だけの秘密にしておきます(笑)