ワタシの暮らしの忘備録

空と海の間で暮らした、私のこれまでイマココこれから

恋愛カフェラテ

ひと昔前の私の恋愛は

泥水をカフェラテと思って

飲んでいたようなものだった。

コーヒーは苦手だから

ミルクやお砂糖で甘くなった

カフェラテなら

私もコーヒーを楽しめる

そう単純に思って…

出会った人で

1番好きだった彼が

私にくれた愛は

甘くてほろ苦い

カフェラテのようだと

そう思いこんでいた。

あの頃までは…

私はただ

自分の内側から溢れてくる

切なさや愛しさに似た

よくわからない感情を

彼に投影していたんだ

私の奥深く眠る

どこかいつも寂しく

ひとりぼっちのような

黒い感情が

呼び覚まされる錯覚を

誤魔化すかのように

甘くてほろ苦い恋に

すり変えたあの頃は

私にとって

たまにしか飲まない

ちょっと特別な

カフェラテみたいなものだった

だけど…

通り過ぎた恋の行方は

果てしない泥沼の中に

飲み込まれてしまい

あの頃の恋が

本当はカフェラテのような

甘くてほろ苦い恋ではなく

泥水をカフェラテと思いこみ

飲んでいたのだと気がついた

彼への想いが

それは〝愛〟とは違う

別の物だと思い知った時

本当の意味で

あの頃の恋の幕はおり

恋のおまじないがかかった

泥水の味を

思いだすかのように

今、私は本物のカフェラテを

飲んでいる

 

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