ワタシの暮らしの忘備録

空と海の間で暮らした、私のこれまでイマココこれから

母からの手紙

息子が自閉症と精神発達遅延の診断を受けた後、私は毎日毎日自閉症の情報をネットで集め、どうにか改善させる方法はないのか、子育てはどうしていったらいいのかを暇をみつけてはネットで情報を探していました。
その当時はTEACCHが流行を始めた時期だったと思います。
元旦那の知人の方を通じ、自閉症のお子さんを持つ保護者の方とお話させていただく機会に恵まれました。その方は長崎の方でありとあらゆる療育(身体的な方面も認知方面ほぼ制覇されていました)を試し、TEACCHに行着いたということでした。その先輩母さんから同じ九州内に相談機関があるということを教えてくださり、私が既にネットで辿りついていた相談機関のことでした。ありとあらゆる事を学び試された保護者の方だったので、すぐその相談機関に藁をもすがる思いで申し込みをしました。それとは別に、関東にある精神科医の先生がいらっしゃる相談機関へも申込みをしました。どちらの機関も有名な先生がいらっしゃる機関だったのもあったし、自閉症の検査を詳しくできる機関が当時は少ない状況であったこともあり、九州の相談機関は3年待ちぐらいで、関東の相談機関は5年待ちという状況でした。うちは運がよかったのか、早期発見早期療育がさけばれていた時代でもあったし、3歳未満に診断を受けたからなのか、理由はわかりませんが、半年後には九州内の相談機関へ行き検査や療育を受けることができました。
その当時は私が偏っていたこともあり、自閉症という障害は脳の機能障害なのだから、認知に対する支援が必要だと思い込んでいましたし、TEACCHからはいったこともあり、身体方面へ興味関心が全くなかったことや障害や療育に関する講座の中では、構造化された指導や視覚支援が大切だと強くいわれていたので、私も良かれと思ってそれらばかりを学んでいた時代でした。今となってはそれらの学びは無駄にはなっていませんが、過ぎてしまった時間は取り戻す事ができないという事を未来に思い知る事になった時に落胆したことは言うまでもありません。
初めて相談機関へ検査に行きアドバイスをいただいた後、どうやら私の両親へ協力してもらうために話をしたようです。私の記憶が薄いので、うっすらとしか思い出すことができないのですが、相談機関でまずいわれたのが、抱っこと添い寝禁止令でした。家族旅行を兼ねていった先で母たちにどうやら話をしたようです。(家族旅行したことさえ忘れていました(汗)その後、母から手紙が来ていたようです。この手紙はその時、読んだとは思うのですが、その時すでにスッカリ洗脳された状態になっていたのだと思います。読んで母に対して怒りしかこみあげなかったような気がします。

先日、自宅を掃除した時にその当時母から来た手紙がでてきました。母の気持ちが痛いくらい伝わってきて、読みながら泣いてしまいました。ただ、その当時は私だって私なりの考えで、息子の将来を考えてのことだったので、それを否定されたとしか思えませんでした。多分、母たちに相談する前に息子が障害であることの受容が私になりに決着がついた状態でもあったからだと思います。それはどういったことかというと、母の手紙の中にあるように、普通の子育てができないこと、私が息子の将来に対して夢見ていたことを全部あきらめないといけないんだなーっという思いが自分にあったと気がついた時に、私は自分が息子を1人の人として扱っておらず操り人形のようにしか思ってなかったことに気がつきました。ですから、母からの手紙を読み、自分がこれからやろうとしている子育てに対し、母に否定をされたようで、悲しかったことだけ覚えています。それと一旦自分の中で割り切ったことを覆されるのが嫌だったのだとも思います。それに合わせて、相談機関というか某支援者の信者のようになっていたから、母からの手紙を「ない」ものにしたのだと思います。

今手紙を読み返してみると、別の意味で突っ込みどころはありますが、これがいわゆる一般的な娘や孫に対する思いなのかもしれないなと思えるようになった自分が少しは成長できたのかもしれないと思うことになりました。

母からの手紙も部分的に伏せて紹介します。
私以外にも主体性のない療育又は子育てをしていらっしゃる保護者の方たちや様々なご家庭を支援されている医師や支援者の方の目に触れ、今一度ご自身たちのことを振り返っていただけましたらと思いこのブログに掲載します。
※お母さん、勝手にごめんよー

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前略 

Tさん(元旦那)、○○さん(私)今度は温泉旅行ありがとうございました。

お礼も言わないで帰って来て、Tさんすみませんでした。

今回はあなた達が○○に行って着た事の話をくわしく聞く為にいったのですが…

抱いてはいけない、添い寝もいけない、と少し話しを聞いたら、そのあとは くわしく二人から話しを聞く事が出来ませんでした。

今日までS(私の息子)を一杯抱いて、おんぶして楽しませてもらって来たのに、それが出来ないしてはいけない。子育てとはどうすればよいのか、又それがどんな気持ちなのかと思うと…
私たちでさえ、こんな気持ちなのに、あなた達二人はと思うと黙っているので精一杯でした。

私たちが経験した子育ての味をあなた達は味わうことができないのではと思ったら、話しをきりだせませんでした。まして、そこにSがいるのです。

Sが生まれた日の事から今までの事を思い、土曜日の夜はねむれませんでした。そんな思いで起きていたら、Sの泣き声がしてきたので、私まで…しまいました。

これから、二人大変でしょうネ。私たちに出来る事があればお手伝いします。

これから、心身共に気をつけて毎日をすごしてください。

二人を目の前にしてはいえませんので手紙にしました。

乱筆乱文

言いたい事は沢山あるけどどう言っていいのかわかりません。


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※平成16年の頃の手紙です。