ワタシの暮らしの忘備録

空と海の間で暮らした、私のこれまでイマココこれから

赤と緑の髭のおやじ

私が小学生の頃任天堂から
初代ファミコンが発売された。
我が家は母がゲーム機は不要だと思う人で
ゲーム機は購入できない家だった。
自分たちのお小遣いを貯めたり
お年玉でいただいたお金など
自分のお金でさえ買ってはいけない
そんなルールだった。
私と弟は母のいうことに逆らわず
自分たちが大人になるまでは
ゲーム機は買ったことはなかった。
その当時、近所に親戚がおり
そこの兄たちがファミコンを持っていたので
それを貸してもらっていた。
テニスやゴルフなどあり
中でもスーパーマリオは私にとって
鬼門のようなものだった。
どんなにどんなに頑張っても
1-1か1-2面までしかクリアできなかった。

どんなに頑張っても無理だった。
そのうち私は役割をみつけ
1-1でマリオの人数を増やす係になり
弟にクリアしてもらい
やってみたい面はやらせてもらっていた。
大人になりスーパーファミコンを買ってはみたが
やはりマリオブラザーズのゲームは
私にはクリアできなかった。
たとえタヌキに化けることができても
ヨッシーがいても...
やっぱりクリアできない自分に
毎回がっかりし、
ヨッシーに癒しを求め
ヨッシーに乗りマリオを増やすことが
私の役割となり鬼門のままだった。
去年、iPadやアンドロイドでできる
マリオのアプリが発売された。
その話題をSNSやテレビでみて
できないかもしれないけれど
少しだけ無料でできる面があるとのことで
マリオのアプリをダウンロードしてみた
どーせすぐ飽きるだろうと思ったし
〝1面さえクリアできなかったのだから
課金するまでもないだろう〟
そう思い気軽にダウンロードしてみた。
私の予想と反し、
以外に無料の範囲を楽々クリアしてしまった。
しばらくは、無料で初めから何度も楽しめていた。
だか、間も無く先が気になり課金した。笑
途中挫折するだろうと思ったが
実は後2面で終わってしまうところまできた。
しかも、ここまでくるのに
そんなに時間がかかっていないし
努力もしていない。
「この違いはなんなんだ!」と
自分で不思議に思うくらいできていることに
びっくりしているくらいだ。
で、自己分析してみた。
私は動体視力は人並み以上らしい
ただ、身体の動かし方が下手っぴだ。
ファミコンはリモコンを両手で操作する
しかも、左右の親指の動かし方が違うし
技みたいなことをするには
ABボタンや矢印押しながらLRを押すなど
ボタン操作が私には高度だった。
マリオを進ませるために
矢印キーを押しながら他のボタンを押し
ジャンプとかした時は
身体全体も動いてしまっていたし
駆け足して飛び越える時も
胡座をかいているが
上半身は左右に動くわ
リモコンを持つ手を左右に動かさないと
ボタン操作ができなかった。
画面の中にいる
8ビットの世界のマリオを

目だけで追いかけ
リモコン操作することが難しかった。
で、アプリはどうかというと
人差し指だけでなんとかなったりする
飛んでも、何かを飛び越える時に
身体は一緒に動かない。
何故だろう?と、しばらく考えた。
で、ある日気がついたのだ
アプリのマリオは勝手にマリオ自身が動く?
というか、背景が動くようになってるのか
定かではないが
「マリオを進ませる」作業は
アプリ側がやってくれるから
自分がやる作業は人差し指だけで
なんとかなったりする。
すると、今まで1人ではクリアすら
できなかった場面を見て
クリアすることができたのだ。
それはそれは嬉しかった。
こんなリベンジの方法があったなんて
幼い頃は想像したこともなかった
ましてやリベンジしようとも
思っていない事柄だった。
自分は「やればできる子」だと思っているが
できないこともあるとは自覚している
ゲームはある意味私にとって
鬼門のように感じていた。
できない自分を認めざるを得ない
そんな物体なんて
私には不必要なものだとも思っていた。

なーんだ。
ただ拗ねてただけだったのか

そんなことを思い笑うしかなかった。
そして、ゲーム機の操作も
身体の不具合がわかることにも
なるかもしれない。
侮れない物体だったのだと思うのだった。

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